現代社会では昨今、非婚化や晩婚化が進んでおり、少子高齢化が急速に進行しています。社会情勢が変化する中、誰もが将来の自分の姿をイメージすることが難しくなっています。特に農家の後継者となった息子は、婚活に苦労しています。農家は基本、畑が仕事場なので女性と出会う機会が少ないためです。
農家が存続しないと、国産の美味しいお米や野菜、果物やお肉が食べられなくなってしまいます。国としても一大事です。そのような国民の食料を生産するという重要な仕事を担う農業ですが、女性の結婚する条件からは、最も離れてしまっているのが現状です。
しかし最近では、農家のお見合いをメディアで放送していたり、農業や田舎に興味をもつ女性も増えてきたりしています。
もともと自然に興味があり、農家に嫁にいきたいと考える「農業女子」は存在します。大切なのは、このような「農業女子」とどのように出会えばいいのかについてです。
農家のメリットやデメリットを考えながら、どうすれば農家の婚活がうまくいくのかについて考えていきましょう。
もくじ
農家の結婚が難しいのは、今に始まったことではない
もともと農家というのは古くからあり、農家の結婚が難しいのは今に始まったことではありません。昭和の時代であれば、親たちが息子や娘の結婚相手を決めていました。
また、仲人と呼ばれる仲介人が男女の間を仲立ちすることもありました。1970年代頃までは、お見合い結婚も多く、親同士が決めたり、親せきが決めたりしていることもありました。
また、職場恋愛や職場結婚も、1990年代後半の終身雇用体制の崩壊をきっかけに激減しています。就業スタイルの変化や価値観の多様化など変化しているからです。
女性の社会進出や、不安定な雇用状態の中、農家に限らず婚活に苦戦する人はたくさんいます。
世話をやく人が激減している
このような社会情勢の中で、農家の婚活はどのようにすればいいのでしょうか。まず、昔よくいた世話やきのおばさんのような人は激減しました。
昔であれば、人付き合いが密なため、人の紹介がたくさんありました。ただ、現代ではこのような機会が少なくなり、あっても友人の紹介など限られたものになっています。
あなたのことを気にかけてくれ、世話をやいてくれるような人は存在しないのです。そのため、いい話が舞い込んでくることもあまりなくなりました。
要は、自分から行動しないと結婚することができない時代になっているのです。当然ですが、畑仕事をしているだけでは、女性と知り合うことはできません。
「農家の息子」と結婚すること
「農家」という言葉には、よくも悪くもさまざまなイメージをもっている人が多いでしょう。特に婚活中の女性は、相手が農家だと知るだけで敬遠することがあります。
例えば以下のようなイメージを持っています。
・結婚したら農作業を手伝わなければならない
・親との同居、介護をしなければいけない ・地域との付き合いがあり、閉鎖的な環境ではないか ・家事で手を抜くことができない ・収入が一定ではない ・田舎の風習があり、しがらみがあるため自由に生活できない ・親や祖父母の古い考えがある ・田舎だから遊ぶところがない ・出かけたり、おしゃれができない ・虫が多く、泥臭いイメージ |
ちょっと考えただけで、これだけのデメリットがあります。現代社会は、ただでさえ婚活が難しくなっています。これを考えると農家であることは大きなハンデになってしまいます。
ただ、農家であることのせいにしたり田舎のせいにしたりしても意味がないため、これらをプラスに考えていきましょう。また、家族ぐるみで意識改革も必要になってきます。自分たちが思っているより、社会は大きく変化しているからです。
農家の良さを再認識し、意識改革する
以下では、農家のメリットや改善策を考えてみました。
改善策
・結婚後、必ずしも農業を手伝わなくてもいい
・「農業をしたい」と思わせるような経営体に転換する ・別居や2世帯住宅、敷地内同居など柔軟に考える ・相手が驚くような収入になるように努力する ・新しい価値観で独自の農家スタイルを構築する ・昔ながらの考え方に新しい風を取り入れてみる ・時代が変化していることを理解して変えていき、農家の良さを再認識する |
メリット
・食べることに困らない。米や野菜はタダ
・広い敷地がある ・同居することにより無駄な出費が減らせる ・大自然の中、自給自足ができる ・上司につかえなくていい ・人が温かく、人情深い ・のびのびと子育てをする環境が揃っている ・保育園の待機児童とは無縁 ・大震災や戦争が起きたときに強い |
よく考えてみると、農家ならではのメリットや改善することでプラスに変えることができます。のびのびした自然環境や広い土地などは、大きなメリットになります。
農家にお嫁さんを呼ぶためには
農家の後継ぎとなり農業をしていれば、その土地から離れることや状況を変えることは困難になります。また、家族と同居していたり農業をしていたりすることが多いです。また、行動することが限られているため、自ら行動しないと婚活を成功させることはできません。
出会うべきは価値観が合い、「農家に嫁いでもいい」「一緒に農家をしてもいい」と考える女性です。結婚では、複数の人にもてる必要はありません。「農業を一緒にしてもいい」と考えるたった一人の人を見つけるだけでいいのです。
そもそも、婚活をしている段階で農業をどうのこうのと考えるべきではありません。それ以前にその人が好きかどうかの方が問題になります。農家に嫁ぐという以前に「この人だったらついていきたい」と思わせなければいけません。
農家だからどのように嫁にきてもらうかを考えるのではなく、「好きになった相手がたまたま農家だった」ということです。
そのためには、自分を磨く努力も必要になります。農家だからハンデだと思うのではなく、農家の価値を最大限に上げて積極的に行動することが大切になるでしょう。
農家の古い体質が結婚のマイナス要因
実際には、女性で農業に興味がある人はたくさんいます。「好きになった人といつも一緒に仕事ができる」「子育てをするのはとても良い環境だ」と考える人も少なくありません。
実際に農家で結婚して幸せに暮らしている例はたくさんありますし、田舎に向いている女性もたくさんいるのです。
しかし、それでも農家に嫁いでうまくいかない例は、もちろんあります。本人同士の問題もあるでしょう。農家に限りませんが、現代では、3組に1組のカップルが離婚しているといわれています。
これには、さまざまな理由があるでしょうが、「昔は女性が我慢していた」ということもあるでしょう。しかし現在では、女性も社会進出し、自分の意志を重要視するようになった面もあります。
農家の古い価値観を変えることが必要
農家では、昔の価値観を引きずったままの人も多くいます。そこで以下のような価値観があるのであれば、改善していかないとお嫁さんを迎えることが困難になります。
・経費という概念がなく、売上=収入だと思っている
・楽しむことは罪悪だと思っている ・人の行動をいちいち干渉してしまう ・自分の地元に対して強い肯定感をもち、他の地域を否定する ・農業を家族で行い、家族労働は無償だと思っている ・息子はいずれ土地や財産を受け継ぐのだから給料をやらなくていいと思っている ・自分の価値基準ではなく、隣近所や世間体を異常に気にする ・同居の場合、嫁の風呂は一番後 ・嫁は家事、育児、介護をこなし、外で働いて稼ぐのは当たり前 ・小さなコミュニティしか知らないので視野が狭くになっている |
農家の場合、これらの価値観をもつ場合が少なくありません。これらの価値観をもつ場合は、意識改革が必要です。いつまでも江戸時代のような昔のままの感覚では、時代に取り残されてしまいます。
親や世間の価値基準ではなく、自分の基準を軸にする
例えば農家の親がこのようなことを言って来たら、注意が必要です。
農業後継者が自ら婚活や合コンなど出会うための活動をしているとき、「遊んでばかりいないで畑の仕事をしろ、そんな暇があるなら地域の行事に参加しろ」といってきた場合です。
これらの場合、よく考えてみれば、たいして急ぎの畑仕事ではないことも多いです。地域の行事であってもどうしても参加しなければいけないときと、そうでないときがあるでしょう。
しかし、将来結婚するための活動は必ず必要になってきますし、下手をすれば手遅れにもなりかねません。古い凝り固まった価値観に従っているようでは、自分の人生を台無しにする可能性すらあります。
このようなことを考えると、農家に嫁にいく魅力のないイメージは「しがらみ、古い価値観や慣習」などによるものが多いです。実際に田舎の農家は、同じ集落しか通用しないような常識や古いしきたりで固められていることがあります。
ただこれらの意識改革をすれば、とてもいい条件があるのが農家でもあります。自ら変えていく気持ちと新しい農業の形を模索すれば、魅力のある農家を実現することが可能になるはずです。
農家の後継ぎ(長男)が結婚するためには
ここで挙げてきた通り、農家が婚活して結婚するには、あらゆる面で農家のしがらみがつきまといます。そのため、世の女性から「農家はちょっと…」という反応をされることがあるでしょう。
ただ、それらを言い訳にしてはいけません。本当に大切なのは、あなた自身のことです。マイナスイメージが多い農家だからといってそれを理由にしていたのでは、いつまでたっても結婚が遠のくだけです。
実際には、農家でも幸せな結婚生活をしている人はたくさんいます。それでは、どのように考えれば婚活がうまくいくのでしょうか。
最も重要なことは、「あなたがどのような人間なのか」ということです。農家のイメージがよくないといっても、最終的にはその人自身です。
実際には、「農家と聞いて最初は躊躇したけど、結局は相手次第かな」と考える女性は数多くいます。要は農家というイメージの悪さが先行しまいがちですが、いい意味で裏切れるようにすればいいのです。
結局はその人次第だということです。
そのため、女性にふられることがあっても「農家だからうまくいかないんだ……」と卑屈になってはいけません。それよりも「なぜうまくいかなかったんだろう」「自分には何かかけていたのかもしれない」と考え、自分をより高めるように努力して下さい。
駄目なときは駄目だし、うまくいくときはうまくいきます。あまり深く考えず、挑戦してみて下さい。
まとめ
婚活をしている農家のなかには、「なかなかうまくいかない」と考える場合があります。農家というイメージがあまり良くなく、女性に敬遠されることもあります。
ただ、結局は「農家」ということよりも「本人次第」ということがあります。そのため、自分磨きを忘れずに常にアンテナをはって行動してみて下さい。
農家でなくてもどのような人であっても、結婚することは苦労がつきものです。そのような苦労を一緒に乗り越えられる人と出会えるといいですね。