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農家の戸数は年々減り続けています。これには農業で飯が食べていけない現状があります。ただ農作業をしているだけでは利益が低く、大変な労働のわりには所得が低いです。他にも農家に生まれても勤めに行って給料をもらう方が安定しているため、農業を継がないケースはたくさんあります。

これらの現状から農家では高齢化が進み、後継者不足が問題になっています。農業の現状を見れば、課題が見えてきます。

農家にも種類がある

農家の中にも専業農家と兼業農家の2パターンあります。専業農家は家族世帯員の中に他に仕事を持っていない農家をいいます。兼業農家は家族の中に他に仕事を持っている人が1人以上いる農家をいいます。
兼業農家には、農業所得が主な柱の第一種兼業農家と、外に出て働く方が主な第二種兼業農家の2つのタイプがあります。

専業農家よりも兼業農家の方が圧倒的に多く、その中でも第一種兼業農家より第二種兼業農家のほうが多いです

例えば兼業農家ではおじいさん、おばあさんが百姓をし、子世代が会社務めなど外にでて働くというパターンが多いかと思います。こうした形態は「じいちゃん、ばあちゃん、かあちゃん」の3ちゃん農業と呼ばれていました。

同じ農業でもスタイルが全く異なる

専業農家では農業1本で飯を食べていくため、農地の規模拡大をしたり、販売を工夫したりしています。「畜産」「水田」「野菜」「果樹」でもスタイルが全く違うので、それぞれのスタイルで異なる家のやり方があります。

例えば、お米や麦、そばなどは機械化が進んでいるので面積あたりの労働時間が少なく、土地利用型の経営です。そのため面積あたりの収益は低いですが、大規模化し、効率化した経営を行いやすいです。

一方で野菜や果物の場合は、労働集約型です。米作りなどに比べると面積あたりの収益が多いです。そのため面積あたりの収益はお米より高いですが、その分機械化ができず手作業が多いです。また、面積あたりの労働時間も多いです。

畜産に関しては他の農業形態と異なることがあります。動物を相手に世話をするので労働時間が多いです。他の農業に多い兼業農家という形よりは、畜産専業というところが多いです。家族経営より企業的な経営をしているので、昔に比べ一戸あたりの家畜の数は増加しています。

何を作るかでまったく異なる経営体

農家といってもさまざまな業態があります。農業法人として雇用する形態から、家族経営で維持していく姿まであります。その中でも農業では、小規模の農家が圧倒的に多いです。

他にも、私は果樹農家なので果物作りのことは分かりますが、動物の世話は全く分かりません。また、同じ果樹でも梨を専門に栽培しているため、みかんの栽培は分かりません。

このように農業といってもさまざまな職種があるため、専門外のことはほとんどわかりません。

自動車工業をしている人が造船業を理解できないのと同じように、梨を作っている人がいきなりみかんを作れないのです

減り続ける農業者人口

農家の現状を見てみると、農業就業人口でその数を把握することができます。
農業就業人口とは15歳以上の農家の家族(世帯員)のうち、調査日前の1年間に「農業のみに従事した」または、「農業以外の仕事よりも、農業に従事した日が多い人の数」をさします。

ピーク時の1960年には約1454万人いました。
2009年にはその5分の1以下の約290万人に減りました。2015年には200万人を切る勢いで減り続けています。
毎年10万人以上減っていっているという計算になります。特にここ数年の減少スピードはかなりのものです。
なぜなら、農業を引っ張ってきた昭和世代が本格的な高齢化とともに大量に引退していっているからです
戦前生まれは、そもそも農民だらけだったわけで今とは時代背景も全く異なります。その世代が高齢化しているため、続々と農業の現場から引退しているのです。

年齢別でみると、1975年の65歳以上は約166万人であり、農業従事者全体(約791万人)の約21%でしたが、 2009年には178万人で農業従事者全体(290万人)の61%をしめています。

上がり続ける農業者の平均年齢

平均年齢が65才を超えているというのは異常です。他の産業ではありえません。通常、この年齢になれば年金生活者です。この異常ともいえる年齢層の高さが農業の現実です。
農業就業人口の高齢化がいかに進んでいるかがわかります。
腰が曲がっているが、それでも先祖代々の土地を守るという意識で続けている高齢の農家の方もいます。
また、日本の農家が人口に占める割合は1.6%とされています。

これは日本のみにかかわらず、先進国では第一次産業の割合は減っていく傾向にあります。これらのことから経済発展と産業別の人口割合は変化していくものなのです。

農業は天候に左右され、結果が保証されない

農業が衰退する原因は様々なところにあります。
第一に稼ぐことが難しいということです。農業は天候や自然災害に左右されます。時間をかけて作物を育てたにも関わらず、結果に結びつく保証がないからです。手間と時間をかけても無駄になってしまうこともあります。

私は果樹栽培をしていますが、雹(ひょう)がふると果実が傷だらけになり商品価値がなくなってしまうのです。果実が育つまでに1年かけて育ててきたのに、たった数分の雹のふる時間で1年分の努力が無駄になってしまうのです。

このときはさすがに、無力感とやるせなさを感じました。「これだけやってきたのにまた最初からやり直しか、なんて果てしなくて割にあわない仕事なんだ。こんなことやってられるか」と思ったものです。
こうした労働とお金の問題だけでなく、気候に左右され、自然災害、土地のよしあし、平地か山間地かなどとにかく条件に左右されます。

農業は自営業です。毎月安定した給料がでるわけではありません。結果がすべてです。結果が悪ければ、自分の技術のなさ、経営感覚のなさを反省するしかありません。

どうにもできない自然災害

ただ、自然災害はどうすることもできません。雹を降らせないことはできません。雹が降っても傷がつかないようにネットを張ることはできますが、雹が降るか、降らないかコントロールすることはできません。

同じように台風の進路をコントロールすることはできません。農業は自然の中では、どうすることもできないのです。台風で作物が駄目になっても、施設が飛ばされても、反省することも誰かを攻めることもできません。ただ、結果を受け入れることしかできないのです。

農家は地域に根差した産業

それと農業独特の環境もあります。農業は地域に根差しており、組合や共同で水路を使うなどなにかと協力することや協調することが多いです。
また、農村は昔からの村社会の色が濃いため、古い体質や閉鎖的な環境もあります。田舎特有の濃密な人間関係もります。

個人主義的な考えでは村八分になってしまうかもしれません。
自分の意見よりも周りとの波長をあわせ空気を読んでいく、日本の村社会が濃くあるからです。

新規就農者のハードルは高い

また後継者が増えない原因としては、日本の農家は世襲制度をとっていることがあげられます。
実家の農業を継ぐのは、「農業機械や設備」「ノウハウ」「地域の信用」などがありますが、新規で農業をするのはハードルが高く、土地を見つけるところから、農業機械など初期費用が相当かかります。

こうみると農家の問題は様々な事柄が複雑に絡んでいることがわかります。農政や貿易問題など外的な問題も当人に関係なくあるのでより複雑で先がみえない部分もあります。

農業の種類によっても全く異なり、自然に左右され、どれだけ努力をしても結果に確実に反映されないのが農業です。何の補償もなく外部環境にも左右され結果がすべての世界です。

このため、自然条件に左右されるなど農業特有の事情もあり、労働のわりに収益を確保するのが難しいのが農業です。こうしたことから、農家の高齢化が進み後継者が不足するというのが、いまの日本の農業の現場です。

ただ、こうしたデメリットがあり、誰も参入しないからこそチャンスがあります。例えば、果樹栽培をしようとすると「桃栗3年、柿8年」という言葉がある通り、苗木を植えてから収穫できるようになるまでには数年かかります。実をたくさん収穫し、経営を安定させようとするとさらに時間がかかります。

時間のかかるビジネスだからこそ、競合他社にまねされることなく経営することができるのです。

また、農業によって起業すれば、時間の使い方を自分で決められるようになります。サラリーマンと違って自分の時間を売っているのではなく、どういう働き方をしようと自分で自由に決めることができるのです。

農業は働き方だけでなく生き方そのものがサラリーマンとは違います。自然とともに暮らし、ストレスをためることなく人間本来の生き方に近づくことができます。

仕事の仕方を誰かに命令されることもありません。自営業ではありますが、自分で仕事の仕方を決め、能力を試す事ができます。

そのため、やり方によっては農業ビジネスによって大きく稼ぐことも可能です。