農業をするには、基本的には農業機械を使うことが多いかと思います。農機具は高いものが多く、機械の種類によっては壊れやすい物もあります。また、水やほこりなど過酷な環境で使うことも多いため劣化しやすいです。

農機具は安いものではないため、丁寧に使い長持ちさせるように使うことは基本ですが、それでも故障してしまうことはあります。また場合によっては修理代がとんでもなく高い場合もあります。

部品がなかったり、そもそも修理を想定してメーカーが機械を作っていなかったりすることもあります。

修理代の相場というのも分かりにくいため、修理代をふっかけられることもあります。そもそもなんでこんなに高い農業機械がこんなに簡単に壊れるんだという疑問もあります。

修理の依頼先も農協の修理センターやメーカーの修理屋、地元の農機屋などあります。ここでは、農業機械を使用していて修理を出す前に考えておかなければいけないことを解説していきます。

もくじ

見積を出してから検討する

まず、農業機械に限りませんが、見積を出してもらい、修理代がいくらかかるのか比べてみるといいです。一社だけでは想像以上に高く請求されることもあるからです。

他と比べて相場をしることが大切です。修理の内容によっては、機械をある程度ばらさなくてはいけないこともあるので、その場合は見積自体に多少お金がかかることもあります。

また、農機具の修理は長い付き合いになり顔見知りになることが多いと思います。修理を依頼する人によって技術料や作業料などの請求価格を変えている場合もなないないのです。

修理費用の相場などあってないようなものなので。意識しておいたほうがいいと思います。

自分でできることは自分でする

当たり前のことですが、農業機械の修理であっても自分でできる範囲で修理すれば費用を抑えることができます。自分でするので手間賃がかかりません。

部品があればホームセンターやネットなどで調べて取り寄せることもできます。

それと、日ごろのメンテナンスなどもしていれば壊れにくくなります。例えば使いっぱなしにしないで泥を落としておくとか少しの手間をかけてきれいにしておいたり油をさしておくだけでも違います。

グリスアップやオイル交換、フィルター、クリーナーの掃除など定期的にメンテナンスすることも大切です。

農協系の機械センターに頼むか地元の機械屋さんにたのむか

農業機械が壊れて自分で修理が不可能となった場合に、初めて農業機械を修理に出すことになります。その場合でも農協で運営している農業機械センターやメーカーでの修理、地元で機械修理を専門に行っている機械屋さんなどがあります。

使う機械によってもそれぞれ得意なところがあります。私の感覚では農協は総合的な機械修理、地元機械屋は専門的なところといったイメージです。

しかし、それぞれ全然違うといったらそういうわけでもありません。それより人によって違うというほうが正しいです。当然ですが、その人によって経験や技術がちがいます。

以前めったに壊れないような井戸の修理を頼んだ時に最初の人は「これはもうだいぶ時間がたっている。周りでもこれを使っている人はあまりいなくなってきた。修理するより交換したほうがいい」というのです。

しかし、別のベテランの人に見てもらったときは予想以上にあっさりと直してしまったのです。

このように、人によって違う場合も多いかと思います。また最初の人のように「修理するより交換するなど買ったほうがいい」というのも疑わしいものです。

メーカーが部品の生産自体を終了していて部品がないなど状況もそれぞれ異なることもあるかと思いますが、よく考えたほうがいいです。

そもそも機械自体が一昔前に比べてきゃしゃになっている

農業機械だけではありませんが、現在の2021年より、数十年前の機械のほうが頑丈に長持ちするようにできています。なんというか現在の機械の方が安っぽいのです。

また農業機械を修理する技術者そのものの人の質も低下していると、修理屋そのものが言っていました。昔はだいぶ詳しい人もそれなりにいたようですが、そういう人が少なくなっているようです。

悲しいことですが、機械の生産段階から大事に長く使って修理にだすというよりも、最初から長持ちしないように華奢に作って壊れたら新しい物を使うというような使い捨てに近い文化になっています。

農業機械ビンボーはなぜおこるのか

これはよくありがちな話なのですが、例えば米作りではトラクター、コンバイン、田植え機などが必要になっています。そしてこの米作りをしている人は兼業農家の割合が高いんです。

普段は会社勤めをしていてその傍らでお米を作っています。作っている土地はそれぞれでしょうが、年に数回しか使わないこれらの米つくりの機械に何百万というお金を投資しています。

コンバインなどバカ高くてすぐ壊れて修理代もかかります。しかし、年に一度収穫のときしか使われません。田植え機も田植えをするときしか使いません。

それ以外の時期は眠っています。

年に数回しか使わない片手間の農業で、バカ高い金額で購入して1年ぶりにコンバインを使おうと思ったら壊れていて修理代がかかるということです。しかもその米が安いという。

別にお米でお金にしようと思っているわけではなく、趣味のような先祖代々の土地を管理しているような百姓サラリーマンなのでこのようなことがおきるのです。

安くても高くてもかまわないという片手間兼業農家の米つくりがある一方で投資に見合う売り上げをたつるために、コスト管理や面積の拡大を図る専門の米農家もいるわけです。

ここら辺がごっちゃになるのも日本の兼業農家と専業農家の闇かなと思います。

メーカーの部品供給期間が限られている

いつの時代にどんなものを買ったのかでも機械の寿命は違ってきそうです。それでも多くの方はできるだけ長い期間機械を使おうとすると思われます。

大切に丁寧に使っているかたも多いです。例えば数万円の刈り払い機など10年20年と長く使われる方もいます。そのような人が長く愛用していて部品の寿命がきたので交換しようと思ったら部品が生産されていないということも多いです。

メーカーでの供給期間がきまっているらしく、ある年数を過ぎると部品がないというのです。やはりこれも使い捨て文化で無駄に新しいものを売りつけようというメーカー側の思惑です。

実情では、機械はいくらでも長く使えるのにさっさと捨てて新しいものを買ってもらいたいのです。これも別に農業機械だけに限らず、あらゆる業界の共通していることではあるとおもうのですが。

一部分だけを交換したいのにまるごとまわりの部分を総取り換えとか、一部分の部品の交換だけで全然使えるのに新しい新品に買い替えとかバカげたことがおきるのです。

まとめ

農業機械は高価なものです。また農地で使うので過酷な条件での使用になります。壊れやすかったり、修理が高額になる場合もあります。

修理代の相場など分かりにくくあってないようなものだと思います。なるべく修理に出さないように日ごろのメンテナンスや泥やほこりなどきれいにしてあげることも大切になります。

また修理をするのは人なので日ごろの付き合いも大事になってきます。人によってはふっかけられたりすることもあるかもしれません。相場が分かりにくいものの取引ではよくあることです。

農業機械も修理代もお金がかかることなので、最低限の支払いで済むよう日頃の使い方や管理も大事なことになってきます。