ネオニコチノイド系の農薬といえば日本をはじめ、世界中で使われている殺虫剤です。殺虫剤の中でも比較的新しく登場した農薬です。日本では主にお米を無人ヘリで散布するときなどカメムシ対策などでも使われています。

日本では安全性が確認され、たくさん使われているネオニコ系殺虫剤ではありますが、いろいろと懐疑的な部分もあります。ミツバチの大量死や失踪などにネオニコチノイド系殺虫剤が関係しているのではないかと言われているからです。

様々な実験が小さな現場レベルで出ていますが、実態として日本では野放しにされています。環境先進国であるEUではクロチアニジン、イミダクロプリド、チアメトキサムの3種類のネオニコチノイド系農薬の使用が禁止されています。

また、日本でもイミダクロプリトとアセタミプリドに関しては低濃度でも子供の脳に対する影響や環境への影響があると忠告する専門家もいます。

しかしながら、環境や人体への影響よりも利権を守ることのほうが大事でしょうから使い続けられるものと思われます。

ネオニコチノイド系農薬とは

ネオニコチノイド系農薬とは、平成5年ころから使われるようになった比較的新しい殺虫剤です。殺虫剤の種類には有名どころで有機リン系やカーバーメート系、合成ピレスロイド系、クロロニコチニル系などがあります。

これらはだいぶ昔から使われているものも多く、ネオニコチノイド系農薬は最近できた殺虫剤と言えます。

ネオニコチノイド系農薬の特徴

ネオニコチノイド系農薬の特徴といえば、タバコに含まれるニコチンに似た主成分で、神経伝達を阻害する働きがあり、実に様々な害虫に広く適用されています。

成分が根や葉から吸収され、浸透性に優れているため少量の散布でも作物全体にいきわたり長期間持続します。

特に農業ではやっかいなカメムシにきくものが多く、使い勝手がいいです。そのため世界でもたくさん使われている殺虫剤です。

脊椎動物への急性毒性(短期的な効果)が低いことや環境で分解されにくいという特徴から活用の幅が広い特徴があります。

ネオニコチノイド系農薬の種類と商品名

ひとことでネオニコチノイド農薬と言ってもいろいろあります。農薬取締法に基づき、7種類の化学物質に分けられています。ネオニコチノイド系農薬だけではないですが、農薬は物質名と商品名が異なりややこしくて分かりにくくなっています。また、JA販売とそれ以外では商品名が異なることもあります。

化学物質名    商品名

ジノテフラン   スタークル顆粒水溶剤(JA) アルバリン顆粒水溶剤(JA以外)

クロチアニジン  ダントツ水溶剤

チアメトキサム  アクタラ顆粒水溶剤

チアクロプリド  バリアード顆粒水和剤

アセタミプリド  モスピラン顆粒水溶剤

イミダクロプリド アドマイヤー粒剤、水和剤

ニテンピラム   ベストガード粒剤

ミツバチの大量死や失踪など影響が疑われている

国内だけでなく海外でもミツバチの大量死やミツバチの箱に戻ってこない失踪状態が多数報告されています。その原因と言われているのが、ネオニコチノイド系の殺虫剤です。

しかし、なぜミツバチとネオニコチノイド系農薬が関係しているのでしょう。

ことの始まりは1990年代のヨーロッパの出来事です。ヨーロッパ諸国で、ミツバチの大量死や数の減少が報告されていました。当初は何が原因か分からずミステリーな出来事だったようです。

当初ミツバチがいなくなった原因としていろいろな説があったようですが、近年では「ネオニコチノイド系農薬がミツバチの減少に関係している」という方向で固まりつつあります。

ミツバチが減った状態として巣には女王蜂がいるのに働きバチがいなくなってしまったそうです。この現象は「蜂群崩壊症候群」と呼ばれています。

ネオニコチノイド系農薬は、虫の神経系を狂わせます。少しの量でも脳の働きが狂い、方向性を失ってしまうため、巣に戻れなくなってしまうのです。

ミツバチだけではないネオニコの影響

このように、生物の脳の神経を狂わせてしまうという恐ろしい農薬がネオニコチノイド系農薬です。ミツバチのネオニコの影響は有名な話ですが、実はミツバチだけではなさそうです。

日本の島根県にある宍道湖では、1993年ころイミダクロプリドというネオニコチノイド系殺虫剤を使うようになってからウナギとワカサギが激減しました。

この農薬を使うようになってから甲殻類や動物プランクトンなど食物連鎖の土台となる節足動物が減少し始めました。翌年これらをえさとする日本ウナギやワカサギが激減しました。

田んぼなどで使われたネオニコチノイド系農薬が川や湖などに流れ、水の中の生態系を狂わせ、エサが減り漁獲量が激減したということです。

この例に限らず、日本中、世界中で同じようなことが起きているんじゃないかと思います。

昭和のたんぼと令和の田んぼは別世界

昭和のころは田んぼに行けば用水路のところで遊んだり、生き物がたくさんいました。ネオニコチノイド系農薬が出回る前です。それより前は普通に川で泳ぐことができました。ウナギもいました。

田んぼにはだしで入るとヒルに吸われた記憶もあります。昔は素足で田んぼに入っていました。今は田んぼにはだしで入る機会はないですが、ヒルも見なくなったような気がします。

田んぼからイナゴも消えました。昭和はとんでもない数のイナゴがいたし、普通に食べていました。現在では、田んぼでイナゴをあまり見かけません。

トンボも激減したような気がします。以前はもっと大量にいたのにそのような光景を見るのもあまりなくなったような気がします。

以前と比べるとあまりにも数が減ったのでもしかするとこれらもネオニコチノイド系農薬の影響があるのかもしれません。

ネオニコチノイドの人体への影響はあるのか

虫の神経を狂わせ、植物の内部にまで浸透し、長持ちさせるというネオニコチノイド系農薬ですが、害虫だけにきいて人間には無害かというと、そんな都合のいいことはなさそうです。

販売する側としては、「人間に影響はありません。」ともちろん言うでしょうが、今すぐに影響がなくても何年、何十年後には影響がでてくる可能性もあるわけです。

福島の原発が爆発したときに放射能が漏れて「ただちに影響はない」と言っていましたが、同じようなことです。

また、子供の発達や大人の神経の病気を引き起こすともいわれています。

特にネオニコチノイド系農薬は神経にダメージを与えるという恐ろしい作用があります。農業者が農薬を散布するときに吸い込むことで体内に入ってきます。

ネオニコチノイド系農薬は世界でも国内でも大量に使われているので間違っても吸い込まないようにすることが大切です。また、散布後しばらくは圃場に近づかないほうがいいかもしれません。

これを書いている私も実際にネオニコチノイド系農薬は使っているので調べれば調べるほど目には見えないため恐ろしいものなんだなと再確認しました。

まとめ

ネオニコチノイド系農薬1990年代ころから使われ始めた殺虫剤で、世界中でかなり使われています。浸透性があり、残効性があり使われやすいため大量に使われています。

また神経毒性がありそのためミツバチの神経を混乱させて巣に戻れなる現象が起きています。そのため大量死や行方不明な状態になっています。

それだけでなく、さまざまな生態系に影響があり、人体への影響もありそうです。

特にいろいろ調べてみるとイミダクロプリドのアドマイヤーがもっとも問題がありそうで、モスピラン、ダントツ、アクタラなど気を付けたほうがよさそうです。

これらのたくさんの現象を経験してEUでは廃止の方向になっています。それに対し日本は逆行する形で継続されています。日本の場合、諸外国に比べて緩いどころか緩和の方向に向かっているという状態です。

残念なことですが、日本で暮らす限りネオニコチノイド系農薬を避けることは簡単ではありません。ただこれが日本の現状なのと知ることは大切だと思います。

ミツバチの大量死は未来の人間の警告かもしれません。