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農業では、ときに大きな自然災害にあう場合があります。自然災害は人間の力ではどうしようもありません。そのため、災害時に遭ったときのために共済(保険)があります。

農業の保険の中にも、農業協同組合(JA共済)と農業共済組合(NOSAI)があります。ここでは、「農業協同組合(JA共済)と農業共済組合(NOSAI)は何が違うのか」について、詳しく解説していきます。

農業協同組合(JA共済)と農業共済組合(NOSAI)の違い

農業を営む上では、農業独特の特徴があります。そのなかでも農業ならではのものとして、自然災害があります。農業は自然の中で作物を生産するものです。自然の環境の中で利益を求めるため、ときに大きな自然災害を受けるときがあります。

例えば、大雨や台風によって流されてしまったり、ハウスが壊れたりすることがあります。さらに、竜巻が起きたり、土砂災害などが起きたりするときがあります。雷がなり、豪雨とともに雹(ひょう)がふり、果実が傷だらけになるときもあります。さらに、被害がひどいときは、作物が全滅してしまうことがあります。作物が生傷になると傷んでしまい、商品価値がなくなってしまうのです。

そのようなときのために、共済があります。共済は被害があったときに補償するものです。農業の共済には、農業協同組合(JA共済)と農業共済組合(NOSAI)があります。名前が似ているので紛らわしいですが、全然違うものです。

農業協同組合(JA共済)とは

まずJA共済は、「生命」「自動車」「建物」などの一般の保険会社にもある保険商品を扱っています。JA共済といいますが、農作物の補償をするものではありません

農業協同組合が扱っている共済ではありますが、「農作物の保険」というよりは、「自動車関係の保険」「生命保険」「建物の保険」などを取り扱っています。このように農業というよりは、生活全般に関わる保険を販売しています。

ただ、農機具や建物では少しかぶるところもあります。

JAは基本的に、独立採算制で農業協同組合法に基づいて運営されています。JA共済は、農家組合員以外でも利用できます。JAごとの組合員の利用高の2割まで、組合員以外の方が利用できる仕組みになっています。

出資金を支払えば「准組合員」となり、JA共済以外のサービスも利用することができます。また、出資金の額はそれぞれのJAによって異なります。掛け金の国庫負担はありません。

農業共済組合(NOSAI)とは

JA共済には国庫負担がないのに対し、農業共済組合(NOSAI)には国からの国庫負担があります。農作物にとって最も被害を受けやすいのは風水害、干害、冷害など気象災害によるものです。

NOSAIでは地震を含め、ほとんどの自然災害が補償の対象になっています。他にも病虫害や鳥獣害、建物の火災も補償の対象になっています。畜産物の家畜というものもあります。

NOSAIは、もともと市町村に窓口がある事務組合でした。現在では組合の合併が進んでいます。地域によっても性質が異なり、県に一つしかないところもあれば、同じ都道府県内でいくつかのNOSAIがあるところもあります。

農業共済組合と農業共済組合連合会の違い

日本全国のうち、一つの県にいくつかのNOSAIがあるところもあれば、NOSAI○○(〇〇農業共済組合)という団体が一つだけ存在しているところもあります。また似たような名前ですが、○○農業共済組合連合会というものもあります。

共済では当たり前ですが、何か大災害が起きた場合にたくさんお金を支払わなければなりません。そのようなとき、農業共済組合は農業共済組合連合会に補償してもらっています。

連合会はこうした大災害が起こったときに、たくさんの保険金を支払わなければなりません。そのようなときのために、農林水産省に補償してもらっています。

このように、農林水産省も含め自然の大災害などで農業に大きなダメージがあった場合、国からの補償があるのです。

農業共済組合の種類

農業共済組合(NOSAI)のなかにも種類があります。主に農作物共済、家畜共済、果樹共済、畑作物共済、園芸施設共済、建物共済、農機具共済があります

同じ農業でも作る作物によって、被害の受け方や内容が違うので細かく分かれています。また、補償の仕方は種類があります。損害評価の方法や共済金の算出方法、支払方法についてはプランにより異なってきます。

保険や共済は補償の内容をしっかり確認しておく必要がある

例えば、自動車事故などもそうですが、「どの程度の被害内容で、どの程度支払うのか」といった補償の内容は納得がいったりいかなかったりするものです。

私の農園で以前、「ダウンバースト」という局地的に起こる突風のようなものが果樹園を襲ったことがありました。自分がいる地域では台風や降雹被害などの被害があったときは、近隣の果樹園を含め被害状況を確認します。

このときのダウンバーストは局地的な被害であったため、「被害を特定することが難しい」という状態となりました。実際には、被害を受けているにも関わらず細かい状況により補償の対象外になったのです。このように、すべてが確実に保証されるかどうかは、その時々によって異なります。

例えば、自動車の交通事故のように、お互い動いていれば、たとえ相手が完全に悪いと思っても過失割合が10:0になることはありません。私は以前、信号機のある直線車線を普通に走っていました。そこへ、対向車のトラックが右折してきました。信号機は青のため、普通にスピードを出して走っていたので、まさか対向車のトラックが右折してくるとは思いませんでした。

そして、急ブレーキで間に合うはずもなくトラックの後方に追突してしまいました。私はこのとき、「青信号を普通にまっすぐに走っていただけだったので、相手が100%悪いだろう」と思いました。

しかし、過失割合は、10:0にはならず、少なからずこちらにも過失があることになりました。ちなみにこの過失割合を決めるのは警察ではなく、保険会社が決めます。

ちなみに警察は、事故があったことを証明しますが、どちらの過失が大きかったかということは表記しません。つまり、交通事故の損害賠償は民事であるため、民事のことについては警察は決めることができないのです。

このように、もしものときに補償されるものが保険や共済です。しかし、いろいろな条件がある場合もあるため、内容をよく理解しておく必要があります。

農業の自然災害は予期せぬことが度々発生します。台風や大雨、雹被害や洪水などです。こうした時は農業共済組合に加入していれば、補償を受けることができます。また、それと似たものとして、農業協同組合があります。こちらは、農業の自然災害の補償ではなく、「建物」「生命」「自動車」などの生活全般の補償を目的としています。

農業共済組合(NOSAI)は国も負担してくれる農業の自然災害に対する補償です。これに対し農業協同組合(JA共済)は、生活(生命、自動車、建物など)に関わる共済です。

似ている組織ですが、内容は全く異なります。そのため、それぞれの違いを理解した上で、活用することが大切です。