農家が直接ネットや通販でお客様とやりとりするようになると、代金回収の問題がでてきます。特に銀行振り込みなど後払いにした場合は、「代金がなかなか振り込まれない」という問題がでてきます。ただその場合は、「忘れていた」ということが多いため、丁寧に対応する必要があります。

振り込もうと思っていても、普段の忙しさからうっかりしていたということがあるためです。しかし、なかには、意図的に支払おうとしない場合があります。何度催促しても、なかなか振り込もうとしないのです。電話に出ても先延ばしにしようとしたり、支払いを長引かせてごまかそうとしたりする場合もあります。

それではそのようなとき、どのように対処すればいいでしょうか。ここでは、段階を踏んで催促メールの仕方や、そのときのやりとりについて説明していきます。

通販を始めるときは支払期日を決める

農家がネット通販をはじめた場合、銀行振り込みなどで代金を回収する場合に、入金を確認する必要があります。ただ場合によっては、お客様がなかなか振込みを行わず、支払いが済んでいるのかいないのか、何度も確かめなければいけません。

そのため、注文を受けたらあらかじめ支払期日を決めておいたほうがいいです。例えば前払いの場合、注文日から1週間以内に支払いをお願いするなど支払いの期限を決めておくといいでしょう。

期日までに支払いがなかった場合の催促メールの例

ただ、中には1週間を過ぎても支払いがない場合があります。そのようなとき、どのように対応すればいいでしょうか。ネットなどで注文を受けた場合は、忘れている可能性があるため催促のメールをするといいでしょう。

この場合、ただ忘れていることが多いため、まずは柔らかい言い回しで伝えましょう。「うっかりしていた」ということがあるので、この段階では厳しく追及しないようにしたほうがいいです。

また、すでに振込み済みになっていてこちらが確認できていない場合もあります。振込みしてから入金を確認するまでに時間差があるからです。そのため、「行き違いでお振り込みをいただいていましたら、失礼のほどご容赦ください」などと書くようにしましょう。

例えば以下のようなメールになります。

○○○○様

こんにちは○○農園の○○です。

この度は「△△△」をお買いあげいただきまして誠にありがとうございます。今回は、お支払いの件で、メールをいたしました。○月○日に購入された△△の件でメールをお送りしていますが、○月○日現在、ご入金が確認できておりません。

もし、お忘れでしたら○月○日までに、お支払いいただけますようお願いいたします。お手数ですが、ご確認いただけますでしょうか。

以下念のため請求内容を再記させていただきます。

▼振込先情報
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【 口 座 番 号 】****
【 口 座 名 義 】****
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【 受 注 番 号 】****

▼お客様情報
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【 お  名  前 】○○○○
【郵 便 番 号 】123-4567
【 ご  住  所 】○○県○○市○○123
【 電 話 番 号 】12345678
【お届け希望 時間帯】希望なし
【 配 送 会 社 】○○運輸

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[ 商 品 詳 細 ]
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【商 品 I D 】12345678
【 商 品 番 号 】9101112
【 商  品  名 】○○
【 価 格 (税込) 】****円
【  数   量  】1
【  小   計  】****円
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[配 送 先 合 計]
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【  送   料  】****円(税込)
【配 送 先 合 計】****円
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【 合計(消費税) 】****円
【 送 料 合 計 】****円(税込)
【決 済 手 数 料】****円(税込)
【 総  合  計 】****円
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もし、行き違いでお振り込みをいただいておりましたら失礼のほど、ご容赦ください。

ご不明点がおありでしたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。
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○○農園
○○太郎

住所:〒111-1111 ○○県○○市○○1-2-3
TEL:**-****-**** / FAX:**-****-****
URL:https://www.***.com
Mail:◎◎@***.com
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機械的なメールよりも、「連絡が取れなくて心配しております」など相手の立場を尊重するといいです。お客様は、振り込むのをただ忘れているだけの場合もあります。振り込むのは面倒な作業ですし、手間と時間がかかります。

そのため、お客様は忙しいなかで支払いをしているのでお客様が支払いやすいようにしましょう。例えば振込先の銀行が何種類かあると手数料などの関係から振込先を選びやすくなります。

相手の立場にたって伝えるということを意識するといいです。間違っても、「お金を払わない人VS催促する人」という関係は避けて下さい。

入金が確認できないときは電話をかける

忘れていた場合などは、催促メールを送った時点で振込みされることがほとんどです。ただ、メールを見ていなかったり、メールを見ていても返事も入金もなかったりする場合もあるかもしれません。その場合は、電話をしましょう。電話をかけることによって、直接話ができるので相手の雰囲気や態度が伝わってきやすいです。

また、その場合は、あくまで丁寧に接することが必要です。メールと同様にこちらが強い態度にでてしまうと、相手が攻撃的な態度になる場合もあります。

催促の電話は、あまりしたいものではありません。そのため、「もしかするとお忘れではありませんか? 」「お忙しいところ大変申し訳ございませんが……」というふうに穏やかに接するといいでしょう。「うっかり振込みを忘れてしまった」というお客様のフォローをすることが重要です。

それでも入金が確認できない場合

数回のメールや電話をしても入金がない場合は、「意図的に支払うつもりがない」と判断していいでしょう。ここからは前払いか、後払いかによって対応を考えましょう。前払いの場合はここで無視をして注文をキャンセルしてもいいです。ただ後払いで商品を送ってしまった場合は、なんとかして代金を回収しなければいけません。

ここまでしても相手が未払いの場合は、相手がこちらの反応を見ています。そのため、「支払いがなければ法的な手段に入る」ことや「内容証明郵便を送る」などを検討しましょう。

人によっては、「支払う」といいながら先延ばしにしてごまかそうとする場合があります。そのため、電話だけでなく手紙を郵送するとこちらの本気度が伝わります。

この時点で支払うつもりがないことが分かったときは、内容証明郵便などで対応しなければいけません。しかし農家は収穫作業やその他雑務、他のお客様の対応などあり、正直面倒に思うでしょう。そのため、最終通告のつもりで厳しい文面を作っておくといいです。

例えば以下のような文面になります。

重要 ○○代金お支払いについて

○○○○様

前略

平成○年○月○日に注文いただきました「○○○○」の代金が、お支払期限を過ぎております。

当園からの再三にわたるご請求にもかかわらず、未だお振込みがなされていないように見受けられます。また、責任のあるご連絡もありません。

至急○月○日までに同封のお振り込み用紙よりお支払いをお願いしたいと存じます。

平成○年○月○日までにお振り込みの確認がとれない場合、不本意ながら内容郵便証明の発行、並びに法的手段も検討せざるを得ませんので、念のため申し添えます。

何かとご多忙中とは存じますが、至急お振り込みいただきますようお願いいたします。 念のため、お振込み用紙を同封いたしますので、同封の振込用紙をご利用下さい。 なお、お振込みが本状と行き違いになってしまいましたら、何卒ご容赦いただきますようお願いいたします。

草々

同封書類

1.振込み用紙  1式                             請求書  1式          以上

ここまでの段階でなかなか振込みが行われないときは、大変困ってしまいます。入金確認だけが仕事ではなく、現場の作業で忙しくしています。こういった支払い代金の回収作業はとても面倒で、時間ばかりが経過してしまいがちです。

そのため、「まあ、いいか」と放置しがちですが、「メール、電話、手紙」などで確固たる回収の意志があることを貫いたほうがいいです。相手はこちらの動きを見ているため、反応が薄いとごまかすつもりでいるからです。

郵便局が証明する内容証明郵便

よほど悪意がなければ、大抵の場合はこの時点で支払いがあります。しかし、催促にも関わらず支払いがない場合は、次の方法として内容証明郵便というものがあります。

内容証明郵便とは

内容証明郵便とは、「誰が、誰宛に、いつ、どのような内容の手紙を出したのか」を郵便局が公的に証明してくれる手紙(郵便)です。裁判となったときの証拠となるため、相手に心理的な圧迫感を与える効果があります。

内容証明郵便はどのように作ればいいのか

内容郵便証明の作り方は、法律(郵便法)で決まっています。主に次のようになっています。

1. 証明書を作成するときは、1枚に書ける文字数に決まりがある。

1枚520文字以内で、1行20字以内、26行以内になっています。(横書きの場合は、26文字×20行、13文字×40行でも可能)

2. 同じ文の手紙を3通作成(相手に発送するもの、郵便局で保管されるもの、自分で保管するもの)

3. 用紙に決まりはないが、文房具屋で内容証明専用の用紙を売っている

このように、内容証明郵便を出そうと思ったらさまざまなルールがあります。とても面倒なため、内容証明を出さなくてもいいように、なるべく前の段階でなんとか支払ってもらえるようにしましょう。ただ、内容証明郵便を出しても振込みがない場合は、あきらめて今後一切、取引をしないようにすることが現実的です。

まとめ

農家が通販を始めて直接お客様とのやりとりをするようになると、銀行振り込みなどで代金を振り込んでもらわなければいけません。前払いで入金を確認してから商品を発送すれば問題ありませんが、商品を発送後に代金を振り込んでもらう場合は、注意が必要です。場合によっては、なかなか振り込まれないことがあるためです。

そのようなときは、段階を踏みながら、催促の連絡をして下さい。最初は忘れているなど、うっかりしていることが多いです。その後、数回連絡しても支払いがないときは意図的な場合が多いです。そのため、状況に応じて対応を変えていって下さい。

ネットや通販など直接会ってやりとりできない場合、予想外なことや面倒なことが出てきます。その場合でも、冷静に毅然とした態度で対応して下さい。これらのことが参考になれば幸いです。