nkj56_gatsudanshi_tp_v

脱サラして新規就農で稼いでいくには、いい作物を安定して提供出来ることが大切です。また、販売先をどうするのか考えることが必要です。

今までの農家は、「農家は生産だけするもの」という考え方が一般的です。農家は生産をして、「後のことは農協などに任せているから知らない」という方が大多数なのです。自分で流通、販売まで行おうとする農家は少数派です。

そこで、新規就農者が稼ぐ農業をするためにはどのような考え方をすればいいのでしょうか。それは、既存の農家はあまり考えなかったことをすればいいのです。具体的には流通、販売まで考えるのです。これらを意識した上で今までにない農業をすることが大切です。

農家といっても大きく3つに分けることができます。それは、「自家消費するための家庭菜園程度の農家」「共同出荷で市場に出荷する農家」「市場を通さず独自の販売ルートをもつ農家」です。

この中でも、農業で生計を立てていくには、「共同出荷で市場に出荷する農家」か「市場を通さず独自の販売ルートをもつ農家」を目指すことになります。それでは、脱サラして新規就農する農家はどんな農家を目指すべきかについて具体的に説明していきます。

家庭菜園の農業

1つ目は、生活することに全く影響がないような道楽の農業です。農業で生活していくわけではないので、自家製野菜を作っている「家庭菜園レベル」の農業です。

要は本業で別の仕事を基盤にしつつも、家庭菜園で自家消費用に野菜を作っているパターンです。サラリーマンをしながら、米だけ作っていたり、野菜を作っていたりするパターンは多いです。また、定年後に自分が食べる分を作っているケースもあります。

我が家でも、出荷用とは別に自家消費用で野菜を作っています。自分の家で食べたり人にあげたりする程度なので、農薬もほとんど使っていなく、見た目も気にしないため、気楽に栽培することができます。

商品として出荷するためではないため、大きさや害虫などをそれほど気にする必要はありません。

共同で市場に出荷する農業

2つ目は、共同で市場に出荷するパターンです。これは、同じ作物を産地で作っており、共同販売で商品の規格の統一やロット数を最大限に活用した仕組みです

この農業を行う場合は、共販組織などに加入し、安定的に出荷できるようにするケースがほとんどです。そのため、現在産地で出荷しているのは共販で出荷している方法が多いです。共同で規格を統一したり、品質を統一したりするため、量を集めることで信用を得られます。

農産物の特有の条件として、物の品質が異なることが挙げられます。このことから、農産物の価格、選別が大変になります。そのため、共同で出荷できることは、収穫作業に忙しい農家にとっては生産に集中できるなど効率的に作業ができます。

マイナス面としては、個人の能力が反映されにくいことがあります。共同で市場に出荷する農業では、どの農家の物も一緒になってしまいます。そのため差別化がされず、いくらこだわって作っていても異なる価値を表現することが困難です。

この場合、価値を価格に反映させることが難しいです。これらのマイナス点から共販を離脱する農家もいます。多様化する現代では、直売所など多様化するニーズに合わせた販売方法も増えており、店舗との直接取引も増えているからです。

また、高齢化や後継者不足により、農業労動力が不足して、出荷基準に対応できないという場合もあります。ある程度の数量が必要だったり、基準があったりする場合もあります。

加えて、共販の販売価格の低迷や価格の共同精算方式に不満を持つ場合もあります。共同出荷は大きなロットで出荷することにより、輸送コストを抑えて大消費地の卸売市場のシェアを高め、高価格を実現するということを目指してきました。

独自の販売でビジネスとしての農業

3つ目は、市場以外の流通で販売している農家です。法人化して独自のルートで契約販売している例もあります。また、個人で直売、インターネット販売、加工品をつくり商品化、農家レストラン、観光農園、農家民宿など生産だけに終わらず、独自の展開をしている農業です。

他にも、小規模の有機栽培で惣菜店まで開くというパターンもあります。こうした農業は、生産だけにとらわれず販売まで行うため、ビジネスとしての農業といえます。

こうした農業はお金だけにとらわれず、自然と調和した生活やビジネスを目指している場合もあります。自分で考え、農業の固定概念にとらわれず、新しい可能性がたくさんあるでしょう。

新規就農者は自分で売りたいと考えている

新規就農者の場合、販路をどこかに委ねるのではなく、自分で売り先を確保したいと考える方が多いです。実際農業を行ってみると分かりますが、実は栽培して作物を生産することよりも、生産した作物をどうやって売るかの方がはるかに難しいです。

多くの農家が生産までして販売を農協などに頼んでいるのはこうした理由です。しかし、今では個人がインターネットを使い情報発信ができるようになりました。そして、メルマガやダイレクトメール、案内状などを通し、直接お客様と繋がれるようになりました。

そのため、やる気があれば、生産から流通、販売まで一貫して農業経営を行うことが可能です。その中でも小規模でもできる方法が、「インターネットを活用した情報発信と宅配を利用した産地直送ネット通販」です。

私も実際、顧客と直接関わりながら、関係性を築いた上でネット通販による全国地方発送をしています。こうした方法は、既存の農家よりも新規で参入した農家の方が入りやすいです。

農家が直接お客様と関係を築き、メールやFAXなどでダイレクトに直売や産直宅配をする方法は新しいため、可能性はまだまだあります。

減り続ける農家の数

年々、農家の戸数は減少の一途をたどっており、今後も減り続けることが予想されます。減り続ける原因は主に農家で生活していた人の高齢化や後継者がいないからです。農家の平均年齢が65才を超えているので、10年後はさらに激減していることでしょう。

また、農家に生まれ、育ち農家の生活を肌で感じて生活してきた農家生まれの人たちは親の後を継ぎません。農家の生活がどれだけ大変か身をもって知っているからです。

農家に生まれた人間が後を継がない訳

農家に生まれた人間は、農業の跡継ぎにはなりたがりません。仕事としての農業だけでなく、農家のライフスタイルから農業を継ぎたくないと思うのです。また、農業経営をする中で、流通システムや農政の動きなどさまざまなことによってそう感じています。

例えば、スーパーで売られている野菜があると仮定します。そして野菜は、一つ100円で売られていました。この場合、その100円全てが農家の収入になるわけではありません。

出荷団体に出荷していたらその手数料、市場への手数料、小売りマージンなど、いろいろなところを経過して小売店に並べられています。

最終的に農家の手取りに対する割合は、売上全体の2割とか3割になってしまうかもしれません。その2割とか3割の中に、農業機械代や苗代、農薬、肥料代、土地代、修理代、光熱費などいろいろな費用がかかってきます。さらに、労働の人件費がかかってきます。

こうしたことから、農業で利益を出すのは難しい面がありました。

昔であれば、農家に生まれたら手伝うのが当たり前で、忙しいときは農作業を手伝っていました。また、ゴールデンウイークなど世間が遊びに出かけているときも、田植えの手伝いをしながら国道を走る観光バスや渋滞の車を見つめていました。

農業では、時期によっては人手が必要になってくるので、どうしても手伝ってほしいと思うのです。

稼ぐ農業をしなければ意味がない

これら農家の生活スタイルを見て、「農家だけはやりたくない」と思うのは不思議ではありません。その中でも、農業をやりたくない理由のうち一番大きい部分は農家の収入だといえます。

一家総出で働いても収入が低いようだったら、誰もやりたがらないのは当然です。しかも、どれほど手間暇をかけて仕事をしても、結果に結びつく保証はありません。台風や豪雨、雹や霜などの自然災害の時は金銭的、精神的にもダメージを受けます。

手間暇かけて管理してきたのに、一からやり直しになると、もとの状態に戻すのにすごく手間がかかります。しかも、普段より手間がかなりかかるうえに、修復のため無償労働のような形になってしまいます。さらに、作物にダメージを受けているため売上も平年より少ないです。

そのため、「ここまで大変な思いをしてまで農業を継ぐのなら、外に働きに出た方がいい」と思うのは当然のことです。

脱サラ新規就農が転職して稼ぐ農業をするために

農業経営で安定した収入を得ることが大変でも、脱サラして、農業に転職したいと考える人もいます。農業は時間の使い方は自由で、上司、部下など人間関係に縛られることもありません。

自分だけで創意工夫をするため、誰にも文句を言われません。自然を相手にするため、自然環境で作物の出来が悪くても誰かを攻めることもできません。ただ、結果を受け入れることしかできません。出来が悪ければ、「なぜ悪かったのか」を自分自身で反省する他ありません。

農業は他人と合わせたりや他人との比較などする必要がなく、ただ、自然と向き合い自分自身と向き合うことができる仕事です

農業は意思決定から仕事の仕方をすべて自分で決める

仕事でストレスを感じることは、他に比べれば少ないかもしれません。ただ、どのように仕事をしても自由な反面、収入の確保が保証されていません。そのため、自分の考えで稼いでいくという意思が必要です。これは農業に限らず、自営業をするにはこうした心もちが絶対に必要になります。

逆にいえば、自分の考えや能力でどうにでも経営していくことができるといえます。自営業は結果がすべてのため、誰かにいいわけをすることができないからです。これから農業に転職しようとする人は「どうやったら農業で稼ぐことができるか」を第一に考えるべきです。

「どうすれば、収量を多く上げることができるのか」「どうすれば生産物のロスを減らすことができるのか」「そうすれば無駄な経費を減らせるのか」「どうすれば商品を高く売ることができるのか」など、できることは無限にあります。

サラリーマンの経験を農業に生かす

特に栽培技術のプロは、農村にはたくさんいます。農家は職人気質が多いうえに栽培のプロはたくさんいるので、こちらから尋ねれば喜んで教えてくれる人もいるでしょう。むしろ農業界はマーケティングが遅れている業界です。

これらを勉強すれば、今までにない農業経営ができるといえます。栽培だけではなく、営業や販売をして販路を開拓していくのです。農業に転職すると、栽培管理だけでも大変だと思います。しかし、販売までを考えた農業経営をすることにより儲かる農業に近づけます。

脱サラして新規就農するには、栽培管理から販売先まで考えることがたくさんあります。農業で安定して生計を立てていくには、栽培技術を覚え、安定した収量を確保できることが大切です。

さらに、既存の農家は農協などに出荷する割合が高いです。そのため、流通から販売までを含めた経営を行うのは、脱サラ新規就農者の方が向いています。今までの固定概念にとらわれず農業経営する脱サラ組のほうが、強みを生かした農業経営ができるのです。

一般的な農業スタイルとしては、生産が大事なことはいうまでもありません。品質のいい物を生産できることが大前提となります。その上で、販売まで行えることで利益率も上がり、収益性の高い農業経営ができるのです。