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野菜の価格は年によって高いときや安いときがあります。農作物は天候の影響を受けるので、収穫量が変化するためです。例えば雪が思った以上に降ったことで出荷数が減ってしまい、白菜の値段があがってしまう場合があります。このような年は白菜が高いので鍋の回数を減らそうと思う人もいるでしょう。

他には台風が続き、畑が水びたしになって収穫が激減し、レタスが高騰することがあります。このようなときは、外食チェーンでは利益が出せなくなってしまうため、キャベツに変更するとか、レタスにキャベツを混ぜるとか工夫する場合もあります。

野菜の価格は天候や需要と供給によって変化します。それではどのように価格が変わるのか、流通を含め見ていきます。

野菜が家庭に届くまで

私たちが毎日のように口にする野菜や果物はどのように流通して食卓に届けられているのでしょうか。一般的には次のようになっています。

①農家で栽培・収穫された野菜は産地仲買人や農協などの団体を通して、各地の中央・地方卸売市場に出荷される

②市場では卸売業者が仲卸業者や売買参加者に対して、セリ売りや相対売りによって野菜を販売する

③市場で売買された野菜が各地のスーパーやデパートなどの小売店に並ぶ

従来は一般的にこうしたルートをたどり、私たちが口にすることができました。最近は多様化が進み、生産者や農協が直売所をもうけて販売するケースが増えました。また、インターネットをつかって直接消費者に届ける方法も増えています。野菜農家の直接取引する大手飲食チェーンやスーパー、加工食品メーカーなども多くなっています。

そのため、以下のような流通を通ります。

・生産者→農協など卸売市場→小売店(スーパー、デパート)→消費者

・生産者→加工メーカー外食、中食→消費者

・生産者→産直(直売所)→消費者

このように、多くの場合はお客様のもとに届くまでに複数の流通を通して価格が決められています。農産物以外であっても製造元から販売されているわけではなく、多くの場合は小売店などで販売されています

小売価格を決めるのは一体誰なのか

それでは、農産物の小売価格はどのようにして決まるのでしょうか。

例えば、家電を買いたいときどこで購入するでしょうか。近所の家電量販店に行って買う場合もあるし、インターネット上で値段を比較するかもしれません。

家電の料金は購入場所によって価格が変わる場合があります。そして、家電の場合も農産物と同じように、流通会社を通して量販店などで販売されています。

例えばメーカーが定価の50%で流通会社に商品を卸します。このとき流通会社は定価の65%で商品を量販店(小売店)に流通させます。そして量販店では定価の10%引き(定価の90%)でお客様に販売しています。

メーカーが商品をたくさん売りたい場合は、実は量販店にリベートとよばれる販促金を支給しています。その割合は販売価格の5~15%となります。メーカーは当初50%で卸していることを考えれば、さらにたくさん売ってほしいために販売先に5~15%支払っていることになります。

例えば1000円の商品の場合、50%で卸す場合は500円になりますが、そこに10%の販促金があれば100円を量販店に支払っていることになります。その結果、メーカーは実際のところ400円で卸していることになります。

このように一番強い立場は販売力のある販売店なのです。メーカーは販売力に乏しいで、結果として販促金を渡して売ってもらうしかないのです。これは青果物の流通と非常によく似ています。販売力のない農家は自分で売ることはできないため、出荷団体などに卸すということが一般的です。そのため多くの場合、小売り業者が小売価格を設定しているのです。

野菜の価格が安定する制度

野菜の価格は、一般的に卸売市場でのせりなどを通して決められています。

野菜は生育期間が短いために収穫は気候条件に大きく左右され、しかも長期間保存できません。メディアなどで「冷夏によりレタス価格が高騰」「好天による豊作で葉物野菜の価格が安い」といったことを見たりすることもあると思います。

こうした天候の状況は、野菜農家にとって大きなリスクになります。そこで、野菜農家のリスクを減らし、また消費者に対しても野菜の安定供給を行うために設けられているのが「指定野菜価格安定制度」になります。

指定野菜14品目が大幅に値下がりした場合、国や県が野菜農家に価格差補給金を交付する制度になります。

指定野菜14品目とは?

指定野菜とは、野菜生産出荷安定法の第2条に「消費量が相対的に多くなることが見込まれる野菜」と定められている野菜のことです。以下の条件を満たす野菜のことです。

①野菜指定産地の区域内で生産された指定野菜。

②出荷団体または大規模生産者が卸売市場に出荷した指定野菜。

指定野菜14品目の内容

果菜類:キュウリ、トマト、ナス、ピーマン

葉菜類:キャベツ、玉ねぎ、ネギ、白菜、ほうれん草、レタス

根菜類:里芋、ニンジン、だいこん、じゃがいも

指定野菜価格安定制度とは?

指定野菜価格安定制度とは、さまざまな条件により著しく価格が低下した場合に、生産者補償金として野菜農家の経営を安定させるために14品目の野菜の補償をする制度です。

国60%、都道府県20%、出荷団体・大規模生産者20%の割合で出資して資金を用意し、対象野菜の平均販売価格が保証基準を下回った場合に、その差額(平均販売価格が最低基準額を下回る場合は、保証基準額と最低基準額との差額)の原則90%を価格差補給金として生産者に交付する制度です。その交付額は増加傾向にあります。

野菜の価格はさまざまな要素によって変動します。需要と供給のバランスや、露地物とハウスものの入れ替わりの時期、産地の切り替えの時期などによって変わってきます。また気象状況に大きく左右されます。

例えば関東消費地に向けたキャベツの産地の移り変わりを見た場合、春は関東平野の都市近郊の産地のものが出荷されます。夏から秋は標高の高い群馬など冷涼な地域で生産されたものが出荷されます。冬は、温暖な気候である愛知のキャベツが出荷されます。

このように季節により産地が移り変わりながら消費地に届けられています。これらのバランスにより供給量が変化していくのです。

天候の影響で相場は左右される

例えば、南の暖かい産地が出荷時期だとします。今シーズンは長雨の影響で収穫量が少なく、需要に対して供給量がすごく少なくなりました。すると価格が上がります。

その後北の方の産地が出荷の時期になりました。こちらは天候に恵まれ収穫量が増えました。しかし南の産地が天候の影響で出荷が長引いてしまったため、北の産地と出荷時期が重なることになりました。産地の出荷時期が重なってしまったため需要よりも供給量が増えて、今度は価格が下がります。

このように天候の予想はつきにくく、本来の産地の移り変わりがスムーズにいかず、ある時期に出荷がかぶってしまい、結果として需要より供給量が増えてしまい価格が下がってしまうこともあるのです

豊作により野菜が安いときもあれば、すごく高いというときもあります。そういうとき、冷凍野菜は供給量が一定なので価格はあまり変わらないでしょう。冷凍野菜の多くは海外生産され、海外で加工されたものが多いです。

そのため、本国内の天候などでの野菜相場の影響を受けることはあまりないです。しかし、冷凍野菜に関しては安全度という点でみれば国内産より劣るという考えもあります。

野菜は台風や大雨など気象条件によって収穫量が異なります。気象災害など収穫量が激減する場合もあります。そのようなときは需要と供給のバランスが大きく崩れるため価格も大きく変化します。

このように、野菜は天候の影響で収穫量に変化がありバランスがくずれることによって青果物の価格が高いときや安いときがでてくるのです。